徒歩遍路通し打ちに必要なアイテム【その2】
遍路として必要なものとは?
【その1】で生活に必要なものを考えてチェックしました。
【その2】ではお遍路さんとして何が必要なのかを考えたいと思います。
お遍路さんグッズとして金剛杖や菅笠など色々ありすぎて、一体何が最低限必要なのか?という問いがネット上にたくさんあるようで、それぞれの人がそれぞれの回答をしていますが、どれも一致しません。
何故なのか?
最低限必要なもの、できれば用意した方が良いもの、これがあったら完璧と言えるもの、それぞれ主観が入り込むからです。
なので私がはっきり言いましょう。お遍路さんとして最低限必要なものは・・・
ありません!
何もなくて良いです。ただ四国八十八ヶ所の寺院を回っているだけなのであれば、特別何も用意しなくて良いです。
実際そういう人もいるようです。お参りだけして、記念に写真を撮るくらいであなたの気持ちが済むのならばそれで良いのです。
ただ、「何かしら形として残したい」「お遍路らしい格好をして歩きたい」「お遍路さんらしいことをしたい」と言ったことを考えるなら、ある程度のものは必要でしょう。
そんな感じで私が用意しようと思っているものは下記のようなものになります。ポイントとしては自分好みのスタイルで行くことです。
用意する遍路グッズリスト
- 納め札
- ボールペン
- 納経帳
- 白衣
- 菅笠
- 金剛杖
- さんや袋
- 輪袈裟
- 経本
- 御影帳
- 賽銭用小銭
- 数珠
- ロウソク
- 線香
お遍路さんを良く知らない人にとっては、どんなものなのかわからないものもあると思うので、簡単に説明しておきます。
納め札
納め札とは、各寺院の本堂及び大師堂に納めるお札のことです。
こんな感じの100枚単位の紙で、巡礼回数によって色が変わってきます。
私は1回目なので白の納め札を用意しました。
このお札には日付、住所、名前、年齢を記入する欄があり、日付以外は事前に記入しておきました(なお、昨今個人情報を気にされる方は住所は都道府県のみ、名前は苗字のみなど適当でも大丈夫です。何も書かなくてもOKです。あくまで任意です)。
このお札は何枚必要かというと1寺院に2ヶ所(本堂+大師堂)必要なので、それだけで88×2=176枚。更にお接待を受けた場合にお渡しする風習があるので、それ用にも必要なので最低でも200枚は用意したいところです。
ところでお接待とは何かというと、四国に根付いている文化で、お遍路さんに対して地元の人がもてなす文化です。
食べ物やお金(お賽銭)を渡されたり、場合によっては「家で食べていけ、泊まっていけ」ということもあるそうです。
遍路は弘法大師と一緒に歩く同行二人ですから、接待をすることで自らも功徳を積む、また私の分もお参りをよろしくお願いします、という意味合いがあるそうです。
お遍路はこう言った接待を受けた場合は基本的に断らずに受け入れるのが通例。その際に感謝の気持ちでお渡しするのがこの納め札です。
なので、お遍路さんらしいことをしたいというのならば納め札は持ち物として必須です。
納経帳
全ての寺院の御朱印が入るようになっています。全ての寺院を巡拝した証であり、記念にもなり、また一生の宝物にもなります。
これは是非とも用意しておきたいですね。私は神社仏閣巡りが好きですが、御朱印マニアではありません。でもこれは欲しい。絶対買います。なお、御朱印は各寺院300円(一部例外あり)で受けられます。
白衣(びゃくえ)
お遍路さんは白装束が基本で、この白衣を着ることで、他の方があなたをお遍路さんであるということを認識してくれます。
中は何を着ていても良いですが、これを羽織って歩きます。これも最低限欲しいグッズですね。ズボンも白いものが遍路グッズとして売っていますが、私はそれは買いません。
菅笠
菅笠は頭に被り、日差しや小雨を避けます。上記の白衣と合わせていかにもお遍路さんらしい格好になります。
ただ、実際には白衣は着ていても菅笠は被っていない人もいるようです。この辺はご自由に。ただ私は買います。なぜなら日差しや小雨を避ける実用性があるからです。
金剛杖
お遍路さんは杖をついて歩きます。これは殆どの人が用意するグッズですね。しかし使わない人もいるし、登山用のストックを使う人もいます。
白衣、菅笠、金剛杖で誰がどう見てもお遍路さんという格好になります。
また、手で持つ部分を保護するための金剛杖カバー、また金剛杖収納袋も売っていますが、この辺は必須ではなく、必要と思う方だけ買えばいいグッズです。
さんや袋
さんや袋(三谷袋)とは頭陀袋とも言い、お遍路さんが納経帳や納め札などを効率よく、またすぐに取り出せるようにしてあるバッグです。
これは特に必須ではなく、洋服のポケットやリュックなどに仕舞っておけるのならそれでOKです。ただ私は便利そうな上に、格好から入りたい派でもあるので購入予定です。
輪袈裟
首から掛ける輪袈裟です。文字や絵柄の刺繍が入っているものなど色も様々です。
袈裟とはお坊さんが着る衣装のことで、輪袈裟はお坊さんが移動するときに身につけるものだそうです。
お遍路さんはお坊さんではないですが、お坊さんと同じ修行をする立場なのでこれも遍路グッズです。ただこれも必須ではありません。でも私は購入予定。
経本
経本とはそのままの意味でお経が書いてある本です。
寺院に巡拝する時や宿坊に泊まってお勤めをする時にお経を唱えます。その時に使うものです。
開経偈(かいきょうげ)から始まり、十善戒、般若心経などいくつものお経が書かれています。ちなみに私は般若心経だけは暗記していますので、見なくても唱えることができます。
他のお経はほぼわからないので一応購入する予定。
御影帳
御影帳とは納経帳に御朱印をいただく時にいただける御影と呼ばれる各寺院のご本尊の絵が入った印刷物を綺麗に保存しておくためのものです。
普通はモノクロの印刷ですが、別途お金を払えばカラーのものもいただけるようです。
この御影帳を持ち歩いて随時挟んでいく人もいるとは思いますが、かさ張るのでどうかと思います。
御影はそのまま何かに入れて保存しておいて、結願後帰宅してから購入し、綺麗に保存すれば良いのではと思います。
なので私はすぐには購入しません。
その他、賽銭用の小銭や数珠、線香、ロウソクなどは意味がわかると思います。これらも必須ではありませんが、用意したい人はどうぞ。
実は私は賽銭用の小銭を用意しようと思い、大量に必要なので銀行に行って聞いてみたら両替は有料(手数料がかかる)とのことでした。
昔は無料でしたがそう言えばそうなったんだと思い出しました。なので今買い物のお釣りの小銭をせっせと集めています。
数珠は祖母からもらったものがあるのでこれを使用、線香とロウソクはとりあえず買わないですが、必要なようであれば状況に応じて巡礼中に買うかもしれません。
どこで買う?
上記のようなものは全てネットで購入できますので、事前に用意は可能です。
ただ、私は現地に行くまで荷物になるので、先に買ったものは納め札だけです。車巡礼の方は事前に全てネットで購入した方がスムーズかもしれません。
現地のどこに行けば買えるのか?まず全てのお寺ではないですが、各お寺やその門前で買えます。
特に多くの人が最初に訪れる1番札所霊山寺には多くのグッズが取り揃えてあります。
その他、遍路が多い四国にはいくつかショップもあって、そういうところで購入する人も多いようです。
私は徳島入りしたらまず上記のような店で遍路グッズ一式を購入し、翌日朝から1番札所に向かう予定です。
特に菅笠は被った時に一番しっくりするものをいくつか試してから選びたいと思っているので、ネット購入の選択肢はありません。
実際に歩き遍路中は上記のようなものを持ちながら歩くので、かなりの重さになると思いますが、それも修行です。
結願後は激やせしているのではないかと心配になりますが、ダイエットも兼ねて歩くと思えば良いと気楽に考えています。
→ 歩き遍路日記を最初から読みたい人はこちら【歩き遍路1日目】
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