通し打ちを1足の靴で歩き通すことは可能なのか?
通し打ちの場合の靴問題
歩き遍路でも区切り打ちなら靴はどうとでもなりますが、通し打ちの場合は、靴の選択は非常に重要になります。とは言え、良く考えると色んな方法があります。例えば
- 1足で結願まで歩く
- 2足持って来て途中で履き替える
- 途中で買う
- 家にあるものを家族に送ってもらう
私は1で最後まで歩き通しました。
2の場合は、荷物が重くなるという厳しいデメリットがあります。
3の場合、新しい靴だと、靴擦れやマメなど足のトラブルが起こりやすいというデメリットがあります。
家に家族がいるのであれば、履き慣れた別の靴を家族に連絡を取って、遍路宿まで送ってもらうという良い手段が4になります。
4が一番良い方法だとは思いますが、私の場合は女房殿を遍路に連れてきてしまっており、家には誰もいません。
よって選択肢は1しかありませんでした。私が選択した1足については何故その靴を履いて行ったのか、通し打ち遍路にどんな靴が適しているのかを含め、下記の過去記事を参照してください。
遍路道は7割がアスファルトと言われますが、体感では8割近くがアスファルトのような感じがしました。
どの道を歩くかによっても違うと思いますが、舗装されていない山道は案外少ないものです。
歩き遍路で結願まで歩くと1200㎞と言われますが、これは札所間のルートを繋げただけの数字で、現実にはお寺の敷地内での移動、ルートから少し外れた遍路宿や飲食店などへの移動、更に周辺の観光地に行ったり、お礼参りで1番札所まで歩いたり、高野山に行ったりした私の場合は、1400㎞を超えました。
ではその時の靴底を見てみましょう。
1400km歩いた靴
かなりすり減ってますね。凹凸がない部分が出てきてしまっています。特に踵部分は合成ゴムの部分がなくなり、ウレタン部分が出てしまっています。
普通ならとっくに廃棄している靴ですが、これ1足で頑張りました。何とかなるものです。
ちなみに履いて行った靴はこれです。この靴は既に同じ靴を持っていて、私の足に合うという実感があったので、遍路用にもう1足購入し、少し近所で履き慣らしてから遍路に行きました。
どのように歩いたか
徳島県から始まった遍路ですが、しばらくはこの靴で全く問題はありませんでした。しかし行程の半分くらいになった時、靴底の磨り減りを実感するようになってきました。
どこで実感したかというと、雨の日の山です。アスファルトの舗装路でも苔が少しでも生えているようなところでは平らな場所でも滑りやすくなりました。
雨で濡れている石や木などでは当然滑りやすいです。普段の山登りではさっさと歩ける程度のところでも、相当な神経を使って山の上り下りをするようになりました。
とは言え、1足で済ますために他の靴の選択肢はあったのか?というと答えはNOです。
ランニングシューズを履いている遍路さんもいましたが、私以上に早く底がツルツルになってしまったようでした。
もし選択肢があるとすれば、真夏以外の時期の遍路であればミッドカットのハイキングシューズも良かったかもしれません。
というのは歩いていると体感すると思うのですが、思った以上に小石、砂利、木屑などが靴の中に入ってきてしまうのです。その度に靴を脱ぎ、中の異物を出すのは面倒でした。
しかし暑い季節にミッドカットの靴を履いているのは靴が蒸れます。更に靴が重くなり、身体に余計な負担をかけます。なので、身体への負担を受け入れた上で、夏以外ならば人にもよりますが、選択肢の一つだと思いました。
靴がすり減っているのを認識した私の歩き遍路の後半はどういうものかというと、雨の日の山道はできるだけ避けるようになりました。
比較的安全な舗装路のルートを選択し、どうしても山道を歩く場合はものすごく慎重に歩きました。晴れの日はそれほどでもなく、歩を進めました。それで何とかなったというのが実情です。
まとめ
まとめると私が勧める通し打ち歩き遍路用の靴はこんな感じです。
- 底がしっかりした合成ゴムのハイキングシューズまたは長距離用ウォーキングシューズ
- 防水(ゴアテックスなど)
- 自分の足に合ったもので、事前に履き慣らしておくこと
「防水の靴は雨が靴の中に入ってきてしまった場合は乾きにくい」とも言われます。確かにそうです。でも宿で新聞紙などもらえますし、それでも無理そうな場合はドライヤーを借りて乾かします。靴専用の乾燥機を用意している宿もありました。
なので私は翌日まで湿った靴を履いたということは一度もありませんでした。
乾きにくいのがイヤであえて防水ではなく、メッシュ素材の靴をチョイスする選択肢もありますが、これだと小雨でも靴中はビチョビチョのまま歩き続けなければならなくなります。その代わり通気性が良いので何もしなくても翌日には乾くメリットがあります。
どちらが良いかは個人の考え方次第ですが、私の考えでは遍路宿に泊まる人は防水、野宿派は非防水が良いかもしれません。
靴は非常に大事です。底の磨り減り問題もそうですが、靴擦れやマメ、水膨れによる足のトラブルの原因にもなり、長い遍路の間にはそれが問題で脱落する人も多いようです。
実際私が遍路宿で同宿したお遍路さんにもそういう人はいましたし、SNSでもそういう人を散見します。
できるだけ自分の足に合う靴の選択は非常に重要です。その上で上記のことを勘案して、自分の1足を決めると良いと思います。
不安な人はご相談ください。
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